だが、SEの成功の秘密はまさに、この「当たり前」のなかに隠されている。
というより、それぞれの原則をバカがつくほど正直に、徹底的に言葉どおり追求すること、その追求のノウハウを繰り返し繰り返し加盟店に説明し、協力を求めることにこそ、成功の秘密があるのだ。 まず鮮度管理。
賢い消費者は、スーパーマーケットに行って、牛乳を買うとき、わざわざ並んでいる商品のいちばん後ろ、奥のほうから出してきてカゴに入れる。 スーパーでは、棚の商品を補充するとき、残っている商品を客が手に取りやすい前の列に並べ、後ろのほうに新しく商品を入れるからだ。
つまり、鮮度のよいものは後ろのほうにあるわけで、それを知っている消費者は後ろのほうの日付が新しい商品をわざわざ買うのである。 こういう売り方は「先入れ先出し」といって、非常にポピュラーなやり方なのだが、これは日付の古いものを早く売りたい、という店側の都合に合わせたもの。
消費者は「家でも何日かストックするかもしれない」と考え、わざわざ後ろの商品を持っていく。 SEでは、こう考える。
鮮度の高いものを買いたいのが消費者の希望なら、消費者の望みどおりに売り場の商品を並べればよいlと。 しかしこの方法では、鮮度の高いものからつねに売れてゆくから、鮮度の低いものは売れ残る可能性が高くなる。
それは廃棄率が高まるということだけではない。 たとえば、たまたま最後に残った商品を買うことになった客に「より古い」商品を売ってしまうことになる。
これでは、店に対する信頼感は育たない。 だから、店主は必死になって廃棄処分を減らそうと努力することになる。
そこで彼らは、ある商品がどの時間にどれくらい売れるかを予測し、そのとおりに品物をそろえていこうとする、つまり「単品管理」を徹底することにつながるのだ。 SEの原則は、店主自身の経営合理化への意識を触発する。

店主が自ら気づいた経営の発想は、着実に実行されるのである。 売れ行きのよい商品はどんどん売れるから素人にもすぐわかる。
だが「売れ筋の商けをそろえる」ことはプロにも至難のわざだ。 それが可能なら、ものすごく効率のよい小売店がどんどん誕生することになる。
その至難のわざをシステマティックな情報収集と基本4原則でクリアしようとしているのがSEである。 基本4原則の2番目、品揃えについていえば、SE本部がいいたいのは「お客様が欲しいものが、かならずある」ということだ。

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